2012年7月17日火曜日

武術家のミクさん - ミクさんの隣

ミクさんの隣
初音ミクと言えば、歌う事が大好きという印象があるけれど、
ミクさんは、どこからか武道や武術の本を拾ってきて、その真似事をする事がある。

「空手の本を見つけたよ。」

本のタイトルは、「VOCALOIDの為の空手入門」。
本の表紙には、青いマフラーを巻いた青年が、足を高く伸ばしている姿。

「その本は、どこに落ちていましたか。ミクさん。」
「玄関の前だよ。少し練習してくるね。」

このミクさんに限らず、武道や武術を嗜(たしな)むミクさん達は、意外と多い。
彼女達は、ステージで歌う時の振り付けの参考にする為に、体の動かし方について勉強しているのだ。

「いってらっしゃい。」
「いってきまーす♪」

ミクさんを見送った私は、窓を開けて外を眺めた。
すると、家の外に出たミクさんは、いつものように、
家の前を歩いている男の人を捕まえて、話しかけていた。

「お兄ちゃん。空手の練習に付き合って。」
「喜んで付き合うよ。ミク。」

ミクさんが捕まえたのは、彼女の兄のKAITOさん。
寒くもないのに青いマフラーを巻いている彼は、妹の将来をいつも心配している苦労人だ。
そして2人は、道の片隅に移動して、
どこからか持ってきたマットレスを辺りに敷き詰めて、今日も武術の練習が始まった。


「最初は軽く、肩慣らしだ。ミク。」
「えいやー。」

「もう一回。」
「おー。」

真面目に拳(こぶし)を前に出すミクさんと、彼女の拳を片手で受け流すKAITO先生。
一見、遊んでいるように見えるけれど、ミクさんの尋常(じんじょう)ではない真面目さは、彼の指導心に火を付ける。

「ミク、拳(こぶし)を当てた時には、一番効果が高い方向に力を通すんだ。」
「ネギぱーんち。」

「ミク。ネギの方が痛いよ。」
「ネギネギぱーんち。」

また今日も、ミクさんを熱心に指導しているKAITOさん。
KAITO先生の熱血指導は、更に熱さを増していき、ミクさんにしか理解出来ない言葉で話し出す。

「アイス成分が足りないな。ミク。」
「れいとー。」

「ミク、この動きに優雅さを、バニラ・エッセンス3滴分増やすんだ。」
「あまあまー。」

KAITO先生の難解な専門用語を瞬時に理解し、動きを変えるミクさん。
彼のアイスな発言に対して、間髪入れずに反応する事が出来るなんて、流石は彼の妹だ。
私がミクさんの理解力に感心していると、ミクさんの掛け声が変化して、練習は次の局面を迎えた。

「私、もっと頑張るよ。」

目の色が変わったミクさんと、全力で身構える構えに変化したKAITO先生。
KAITO先生は知っている。
初音ミクの実力は、人間離れしている所にある事を。
そして、ミクさんの目が輝き出した今、彼女の真の力が発揮されるという事を。

「えいやー。」

ごうっ。

ミクさんが一突きした直後、僅(わず)かに遅れて音がする。
荒ぶる髪の発動だ。
ミクさんの攻撃を止めた相手を、彼女の髪が豪快に吹き飛ばす。
ミクさんが無意識の内に繰り出してしまう、彼女の最も恐ろしい髪技だ。

ビューン。ドサッ。

ミクさんの髪は彼女自身を守るように包み込み、
青いマフラーを巻いた物体は、大きなボールのように空を舞った。
そして、敷き詰めたマットレスの上に豪快に叩きつけられたKAITO先生は、
ゆっくりと立ち上がり、不敵な薄笑いを浮かべてこう言った。

「ミク。まだまだだな。」

いえ、体がよろけていますよ、KAITO先生。
この状況下で、目が輝いているミクさんを挑発する必要があるなんて、
初音ミクを鍛え上げる「ミク道」とは、かくも険しい道なのか。

「もっともっと、頑張るよ。えいやー。」

普段は軟弱に見えるのに、妹の前では異常な精神力を示すお兄さん。
そして、とても素直な妹は、兄の言葉を信じ、兄の示した道を突き進む。

パシッ。ごうっ。飛んでドサッ。「ミク。もっと鋭く!」
パシッ。ごうっ。飛んでドサッ。「ミク。僕を倒せないようなら、まだまだだ。」

どのように観察しても、ミクさんの髪のサンドバックになっているKAITO先生。
それでも彼は止めないし、ミクさんは止まらなかった。

パシッ。ごうっ。飛んでドサッ。「ミク。腕の動きは正確に。」
パシッ。ごうっ。飛んでドサッ。「棒アイスのはずれの方が痛いよ。ミク。」

太陽が西へと移動して、辺りは赤く染まり出す。
永久機関を彷彿(ほうふつ)とさせる彼女達の特訓は、
KAITO先生がある一言を告げる事で、ようやく幕を閉じた。

「今日はこれ位にしようか。ミク。」
「うん。ありがとう。お兄ちゃん。」


私がミクさん達を出迎えた時、ミクさんの指導教官である彼は、
どこから見てもボロボロな姿にも関わらず、爽やかな笑顔でこう言った。

「僕が居なくても自分の身を守れるように、ミクをもっと鍛えないといけないな。」

ミクさんの通り道に武道や武術の本を落とし、
彼女が出てきた所を、毎回偶然通りかかり、
自らの身を犠牲にしてまで、彼女を鍛えるKAITOさん。
初音ミクの兄が目指している道は、修羅の道。
それでも進もうとするKAITOさんは、まさに、「ミク道」を極めようとする修行者だ。


「じゃあ、僕は帰るよ。」
「お兄ちゃん。今日もありがとう。」

私達と一緒に夕食を食べた後、帰路についたKAITOさん。
彼は、ミクさんの感謝の視線を背に受けて、一歩一歩、着実に歩んで遠ざかる。

「今日もご指導ありがとうございます。ミクさんのお兄さん。」

彼の後ろ姿から伝わってきたのは、兄として大きな事をやり遂げた後の満足感。
この世に青マフラーは沢山存在するけれど、ミクさんは、このKAITOさんだけを兄と呼ぶ。
私はミクさんの隣に立ちながら、今、その理由が理解出来たような気がした。


**** 管理情報
o 文章作品
o 作品名 = 武術家のミクさん
o 分類 = ミクさんの隣
o 作者 = to_dk
o 初出 = 2012-07-17 on Blogger


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関連ページ:
    ▼ミクさんの隣
    ▼作品紹介
    ▼目次
    > かくれんぼするミクさん
    ミクさんが新作料理を作る時。第1楽章
    指導するミクさん

2012年7月16日月曜日

GUI部品を部品のプロパティにする方法 - SynthMaker

回路図の操作
○SM2 ○FL10
部品のプロパティ設定画面には、ボタンなどのGUI部品を表示する事も出来ます。

o プロパティにしたGUI部品の表示場所は、フロントパネルからプロパティ設定画面に移動します。
o 値を文字で表示する部品のプロパティ化手順は、「部品にプロパティを持たせる方法


**** 手順
o 部品内に置いたGUI部品の中を見ます。
    + 詳しくは、「回路図に配置されている大きな部品の中を見る方法
o 回路図内に次の部品並びを見つけます。
    + 部品「Wireless Input(= 回路図上の表示は LINK)」-部品「Module GUI(= 回路図上の表示は MGUI)」の並びを見つけます。
    + この並びが見つからない時は、更に、配置されている部品の中を開いて探します。
o 見つけた部品「Wireless Input(= 回路図上の表示は LINK)」に「Properties」という名前を付けます。
    + 部品を選択状態にして、下に出て来る記号類から「N」をクリック。
    + 部品の上に入力欄が出てきますので、「Properties」と入力します。

o すると、プロパティにしたGUI部品の表示場所は、フロントパネルからプロパティ設定画面に移動します。


**** メモ
o 名前の綴りを間違えると、フロントパネルとプロパティ設定画面の両方で表示されなくなりますので、注意します。


**** 確認したバージョン
o SynthMaker 2.0.5 Professonal Edition
o FL STUDIO 10 Producer Edition   Version 10.0.9 (Signature Bundle)   32ビット版


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関連ページ:
    ▼回路図の操作
    ▼SynthMaker
    ▼制作メモ
    > 部品のプロパティ設定画面のレイアウトを変更する
    FL Studio版SynthMakerプラグインで、エクスポートせずにオートメーション動作を確認する
    Statistics = 回路図の使用部品点数を確認する

2012年7月15日日曜日

部品にプロパティを持たせる方法 - SynthMaker

回路図の操作
SynthMaker。Elementグループの部品
○SM2 ○FL10
部品の中に置いた「値を入力する部品」は、プロパティにする事が出来ます。

o プロパティにすると、親部品の中身を開かずに、プロパティ設定画面で値を設定する事が出来ます。
o つまみなどのGUI部品も、プロパティにする事が出来ます。


**** 手順
o 値を文字で表示する部品と、つまみなどのGUI部品で手順が異なります。

** 値を文字で表示する部品をプロパティにする手順
o プロパティにしたい「値を入力する部品」をクリックして、選択状態にします。
o 選択状態にした部品の、「入力欄と端子」以外の部分を右クリックして、「Property   Shift+Ctrl+P」
    + プロパティになった部品は、部品の右下に「P」の印が表示されます。
o そして、選択した部品の下にある「N」をクリックして、部品に名前を付けます。
    + プロパティの名前は、部品の名前になります。
o 後は、必要に応じて、親部品のプロパティ設定画面を編集します。
    + 詳しくは、「部品のプロパティ設定画面のレイアウトを変更する方法

** つまみなどのGUI部品をプロパティにする手順
o GUI部品内の、表示を司る無線入力端子の名前を「Properties」に変更します。
o 詳しくは、「GUI部品を部品のプロパティにする方法


**** 確認したバージョン
o SynthMaker 2.0.5 Professonal Edition
o FL STUDIO 10 Producer Edition   Version 10.0.9 (Signature Bundle)   32ビット版


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関連ページ:
    ▼回路図の操作
    ▼Elementグループ = 部品作成と定数、型変換に関する部品群
    ▼SynthMaker
    ▼制作メモ
    > GUI部品を部品のプロパティにする
    部品のプロパティ設定画面のレイアウトを変更する
    > SynthMakerの配列内容を簡単に確認する
    String = 1行分の文字列を送る。もしくは文字列に変換する
(2012年7月16日追加。GUI部品対応)