2011年5月3日火曜日

Visual C++の文字セット設定を、マルチバイト文字セットにする方法 - Visual C++

Visual C++
○2010 Express
Visual C++では、_tmain などの書式を正しく使ってコードを書くと、ビルド時に設定を切り替える事で、2種類の文字コードに対応させる事が出来ます。
o UNICODE(UTF-16)で書かれた文字列を処理するプログラム(= 既定の設定)
o 言語設定に依存する文字セットで書かれた文字列を処理するプログラム
    + 日本語の場合は、Shift-JIS(cp932)です。

なお、文字セットの切り替え効果があるのは、_tmainなどの _t系機能だけです。
    + 直接マルチバイト処理用の機能を使っている箇所は、文字セット切り替えの影響を受けません。


**** 手順
o 上のメニューから「プロジェクト(P)」-「(プロジェクト名)のプロパティ」
o 「プロパティページ」画面が出てきますので、
    + 左上の「構成」選択肢を「すべての構成」に変更します。
    + 左のメニューから、「構成プロパティ」-「全般」
    + 右側で、「文字セット」の右隣「Unicode 文字セットを使用する」をクリックします。
    + 欄の右側にV印が現れますので、V印をクリックします。
    + 選択肢が出てきますので、「マルチ バイト文字セットを使用する」に変更します。
    + 設定が終わりましたら、右下にある「OK」ボタンを押します。


**** メモ
o マルチバイト文字セットを使ったプログラムは、CHCPコマンドと併用する事で、UTF-8などの各種文字セットに対応させる事が出来そうです。但し、特定の文字セットに依存しないコードを書く必要があります。
o _tmainなどの _t系機能は、Visual C++の独自仕様です。
    + 他のシステムに移植する時は、マクロなどを使って置き換える必要があります。


**** 確認したバージョン
o Microsoft Visual C++ 2010 Express


==
関連ページ:
    ▼Visual C++
    ▼コンピューター・プログラムを作る
    ▼制作メモ
    ▼目次
    > 新規作成したプロジェクトからstdafx.hを完全に外す方法
    Win32コンソールアプリケーションをランタイム不要にする方法
(2011年5月4日変更。「コンパイル」を「ビルド」に置き換え)

話さないミクさん - ミクさんの隣

ミクさんの隣
変だ。
ミクさんが変だ。

変といえば、ミクさんが此処に居る事自体が変だけれど、それは棚に上げておく。
作曲を始めてからというものの、ミクさんは、歌う時以外に一言も話さないのだ。

私は今日の出来事を振り返る。

「ミクさん。おはようございます。」
「おはよー。」
「早速ですが、作曲を手伝ってもらえませんか。」
「うん♪」

そして、3時間程度歌ってもらった所だ。
質問したら頷くけれど、歌以外の声は一言も発していない。


「少し休憩しましょうか。」

私は内心不安だったけれど、なるべく普通に声を掛けた。
こくっ。ミクさんが軽く頷いた。

「とりあえず、飲み物を持ってきます。」

冷蔵庫には麦茶しか入っていない。ミクさんのお口に合うだろうか。
そう思いながら冷蔵庫を開けると、見覚えの無い瓶が入っていた。

「これ。ミクさんのですか。」

こくり。ミクさんは頭で返事する。
どうやら、ミクさんが持ってきた飲み物のようだ。

ミクさんに麦茶を飲ませて、さらに問題が起こったら大変だ。
そこで私は、この瓶の中身をコップに注ぎ、コップをミクさんの目の前に置いた。

「どうぞ。」

ミクさんは、両手を使って、こくり、こくりと飲んでいる。

「おかわり。」

あっ。ミクさんが喋った。
私は喜んで、ミクさんのコップに白い液体を注いだ。
ミクさんは、今度は片手で、ごくごくと飲んでいる。

「おかわり。」

私はもう一度、コップに液体を注いだ。

「この飲み物は、何ですか。」
「ミルク。一緒に飲む?」
「いえ、結構です。私はまだ、喉が渇いていませんから。」

ミクさんが持ってきた、謎の飲み物「ミルク」。
彼女が美味しくても、人間にとって美味しい飲み物とは限らない。


ミクさんは、ミルクを3杯飲んで、ようやく満足した表情を浮かべた。
彼女が一息ついた所で、私は、唯一の不安材料について質問してみた。

「そういえば、ミクさんが歌う時には、他の事を話しませんでしたよね。」
「うん。」
「何か理由があるのですか。」
「あのね。」

ミクさんは、長時間歌った直後は、ほとんど声を出さない。
喉を酷使する状況下でも正確に歌う為の、工夫なのだそうだ。
彼女は、何時でも同じ歌い方が出来る事に、誇りを持っている。
そして、今日は調子が良かったと語ってくれた。

良かった。本当に良かった。
とりあえず、ミクさんとの作曲活動は、今まで通り続ける事が出来そうだ。
但し、今の話を聞く限りでは、彼女は体調が悪くても歌い続けてしまうに違いない。
今後、ミクさんに歌ってもらう時は、適時、ミルク休憩を挟む事にしよう。
そして、彼女自身にも、作曲活動を大いに楽しんでもらうのだ。


**** 管理情報
o 文章作品
o 作品名 = 話さないミクさん
o 分類 = ミクさんの隣
o 作者 = to_dk
o 初出 = 2011-05-03 on Blogger


==
関連ページ:
    ▼ミクさんの隣
    ▼作品紹介
    ▼目次
    > 羽が生えたミクさんの一言
    変な歌とミクさん達