Win32コンソールアプリケーションをランタイム不要にする方法 - Visual C++
○2010 Express
コンソール アプリケーションは、自動処理を行う時に便利です。そして、C++の標準ライブラリだけを使って作っている場合は、ランタイムライブラリ(= DLLファイル)を不要にする事が出来ます。
o Visual C++ 2010 Expressで確認しました。
o 「Win32 プロジェクト」でランタイムライブラリを不要にする手順も、同様です。
o ランタイムライブラリを不要にする事には、長所と短所があります。詳しくは、下のメモ欄をどうぞ。
**** 手順
o 以下、プロジェクトを作る時に「Win32 コンソール アプリケーション」を選んだ時の手順です。
o プロジェクトを開きます。
o 左に出てくる「ソリューションエクスプローラー」画面で、プロジェクト名を右クリックします。
o 選択肢が出てきますので、一番下にある「プロパティ(R)」
o 設定画面が出てきますので、次のように操作します。
+ 左上にある「構成(C)」の選択欄を、完成時に選択するものに合わせます。
+ 通常は「Release」かと思います。
+ 左側のメニューから「構成プロパティ」-「C/C++」-「コード生成」
+ 右側の大きな欄で、「ランタイム ライブラリ」の文字をクリックします。
+ その行の一番右に表示される、「V」字の印をクリックします。
+ 「マルチスレッド (/MT)」を選択します。
+ そして、設定画面の右下にある「OK」ボタンを押します。
**** メモ
o ランタイムライブラリ(= DLLファイル)を不要にすると、実行ファイル本体のサイズが大きくなります。
+ 10KBの実行ファイルが、50KBくらいになりました。
+ その代わり、ランタイムライブラリの再配布が不要になる利点もあります。
** ランタイムライブラリ(= DLLファイル)不要化の是非について
o ランタイムライブラリを不要にした時の長所
+ Windows Updateでランタイムライブラリが入れ替わっても、プログラムの動きが変わる危険がありません。
+ ランタイムライブラリをアンインストールされても、プログラムは動きます。
+ プログラムを配布している時、インストール時間と手間を減らす事が出来ます。
o ランタイムライブラリを不要にした時の短所
+ Windows Updateでランタイムが改善された時、プログラムに反映されません。
+ この場合、再ビルドしたプログラムを使わないと改善されません。
+ プログラムを配布している時、修正プログラムを配布する手間がかかります。
**** 確認したバージョン
o Microsoft Visual C++ 2010 Express
==
関連ページ:
▼Visual C++
▼コンピューター・プログラムを作る
▼制作メモ
▼目次
C/C++標準ライブラリを正しく使う時に、非推奨警告を出さない
UNIXの(POSIX準拠)プログラムをビルドする時に、なるべく警告やエラーを出さない
(2011年5月4日変更。ランタイムライブラリの名称統一。メモ欄の長所訂正 = プログラムの動きが変わる危険が無い)