2011年2月17日木曜日

リン警官とミクさん達。第1楽章 - ミクさんの隣.

ミクさんの隣
「ミクさん。おはようございます。」
「おはよー♪」

私が朝の挨拶をした時、ミクさんの返事の声は明るく高かった。
この上機嫌さは、何か、楽しい事があったに違いない。
私は、「一緒に曲を作りましょう。」と声をかける前に、ミクさんの話を聞く事にした。

「何か、良い事ありました?」
「はい。これ。」

ミクさんは私に1枚のチラシをくれた。

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『リン警官見学ツアー。現地集合。飲食物の差し入れ歓迎』

。。。

ミクだよ。今日行くよ。

ミクです。今日は、毎日100人以上捕まえる所に出かけます。

私もミクよ。私達の世界って、とても平和に見えるけど、
治安はあまり良くないの。

行って見る?行くよね。ミク
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受け取ったチラシの下に、説明文。
署名が全員「ミク」なのに、誰が書いたのか分かる所が面白い。

「ミクさんは、このツアーに行きたいですか?」
「うん。」

意外だ。このミクさんは、誰かが怪我をしたりするのは嫌いな筈だ。
ミクさんの考えている事は、私には良く分からない。
とりあえず、今日の作曲は中止して、

「準備して、見に行きましょう。」
「うん。」

テーブルには、コロ付きの鞄が2つと、大きなミルクの瓶と、お菓子が沢山。
ミクさんは本気だ。
そして、音楽以外で手際の良い彼女を見るのは、久しぶりだ。

私は、ミクさんの手際の良さに感動しながら、テーブルの上に並んでいる物を、2つの鞄に詰め込んだ。
瓶の蓋はしっかり止めて、衣類とタオルで瓶を覆った。


鞄の準備はすぐに終わったので、私達は、出かける事にした。

てくてくてく。ごろごろごろ。
ミクさんと出かける時、私はいつも、ミクさんの隣を歩く。
なぜなら、ミクさんの後ろは、この周辺で一番の危険地帯だからだ。

たまにミクさんが転びそうになると、髪がありえない速さで動き、彼女はバランスを取り戻す。
この時、ミクさんの後ろにいると、うっかり叩き飛ばされる事があるのだ。

てくてくてくてく。ごろごろごろごろ。
景色を眺めながらミクさんに質問している内に、私達は目的地に到着した。


続く


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o 文章作品
o 作品名 = リン警官とミクさん達。第1楽章
o 分類 = ミクさんの隣
o 作者 = to_dk
o 初出 = 2011-02-17 on Blogger


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