確かなお碗 - 赤い私.
小さい時の、確かな思い。お碗を眺めて思い出す。大好きだった、砂糖の味覚。大好きだった、卵の白身。
小さい時の幸せは、今では、もう、覚えていない。
嫌いだった粒餡(つぶあん)に、大嫌いな、豆ご飯。
食べても食べても無くならない、大根のお味噌汁。
かつての恐怖の食べ物を、今では平気で食べている。
確かな思いは零(こぼ)れ落ち、お碗に残るは僅(わず)かな思い。
違和感のある建物の中、確かに私はそこに居た。
**** 管理情報
o 文章作品
o 作品名 = 確かなお碗
o 分類 = 赤い私
o 作者 = to_dk
o 初出 = 2011-05-05 on Blogger
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